アップルは6月5日から、米カリフォルニア州サンノゼで年次開発者会議「WWDC」を開催しました。その基調講演ではさまざまなニュースが語られたのですが、中でも、年末に向け大きな注目を集める新製品の1つとなるのが「HomePod」(349ドル=約3万8000円)の発売です。現在、アメリカ市場を中心に「スマートスピーカー」というジャンルがヒットしているのです。メインプレイヤーはアマゾンとグーグルですが、そこにマイクロソフトも参入を決めています。そしてアップルも、HomePodで年内に参入することになるようです。日本ではLINEも今夏に製品投入を発表しており、国内でもホットな領域になりそうです。同じ「スマートスピーカー」ではあるものの、戦略を分析してみると、市場のリーダーであるアマゾンとアップルとでは、取り組み方に大きな差があるのがわかってきます。スマートスピーカーという製品は、簡単に言えば、オンライン接続能力を持ったスピーカーのことです。ただし、単に音が鳴るだけではなく、マイクを搭載していて、こちらの言うことに答えるのです。音声で「今週のヒット曲をかけて」「ビートルズをかけて」と言えば、その内容を認識して再生してくれます。ネット上のカレンダーサービスと連携することで、今日の予定を教えてくれたりもします。アプリを入れれば、ピザの注文やタクシーの配車、ちょっとした買い物もでき、スマートフォンと連携して操作できる照明や監視カメラ、エアコンなどがあれば、その操作を声で行うこともできるのです。